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【第一線から】キャベツで魅せる〜野菜と人の素敵な関係〜

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最終更新日:2013年11月6日

 7月から 10 月にかけて東京卸売市場に出回るキャベツの大半は群馬県から出荷されています。その中でも嬬恋村産のキャベツが最も多く、嬬恋村は、農家一戸当たりの作付面積が東京ドームの広さ(約4.7ヘクタール)に匹敵するほどの経営規模と、東京などの大消費地に高速道路を使えば短時間で効率的に輸送できる地理的条件などを背景に、夏秋キャベツの生産量が全国一位の産地となっています。
地図
最盛期には朝から家族総出で収穫作業を行う。
最盛期には朝から家族総出で収穫作業を行う。
 嬬恋村のキャベツは、味にも定評があり、歯ごたえがありそうな肉厚の葉の割に柔らかな食感を残しており、瑞々しさとほのかな甘みが特長です。
 嬬恋村では、特産のキャベツと関連づけたユニークな取り組みを通じて、産地と消費者との新たな関わりを創出しようと奮闘しています。今回は、その取り組みの一端を紹介します。

◆キャベツ×愛妻

 「嬬恋」という村名は、古事記などに登場する日本武尊(やまとたけるのみこと)が非業の最期を遂げた妻に思いを馳せ、この地で「あづまはや」(=わが妻よ、恋し)と嘆いたとされる故事に由来しているとされています。嬬恋村では、妻への情愛がそのまま地名として残っていることにちなんで、2004年に「愛妻家の聖地」を宣言しました。
 翌々年からは、愛妻家の輪を広げようと、村のロケーションを最大限に活用して、「キャベツ畑の中心で妻に愛を叫ぶ(通称、キャベチュー)」が開催されています。その内容は、文字通りキャベツ畑の中で男たちが妻や恋人に向けて愛の言葉を叫ぶというものです。
 今年で8回目を迎え、日本全国から約 40 名の愛妻家が集まりました。参加者は、周囲が思わずはにかんでしまうような愛の言葉を妻に向って絶叫し、思い思いの形で感謝の気持ちを伝えていました。そして、今年もこのイベントでプロポーズをし、幸せに包まれた新たな夫婦が一組誕生しました。
 遊び心から始まったというこの企画は、参加者やその家族にとっては忘れられない思い出として心の中に深く刻まれることでしょう。嬬恋村やその特産品を末永く愛するファンを獲得する可能性があり、今後の活動が注目されています。
4枚

◆キャベツ×マラソン

 標高千メートルを超える高原を舞台に、キャベツ畑に囲まれた起伏に富んだランニングコースを約三千人のランナーが駆け抜ける「キャベツマラソン」。日本一ハードなマラソンとして知られ、決して交通の便が良いとは言えない地での開催であるにもかかわらず、県外からの参加者が多く、毎年、申込期限前に定員に達する盛況ぶりだそうです。
 キャベツマラソンと銘打つだけあって、会場にはキャベツを使ったB級グルメの露店が並び、キャベツの即売会が開催され、参加賞はキャベツまるごと1個など、キャベツ一色です。
 大会当日は、運営ボランティアとして参加する村民の皆さんがランナーを献身的にサポートする姿や周辺の農家の方々が声援を送る光景が数多く見られ、人の温もりを感じられる大会となっています。
 マラソンというイベントを通じて、消費者でもあるランナーが自らの足で産地を巡り、生産の現場を知るきっかけにもなっています。
日本一ハードなマラソンとして知られるキャベツマラソン
日本一ハードなマラソンとして知られるキャベツマラソン

◆1月31日は「愛妻の日」

 先に紹介したキャベチューの主催者でもある日本愛妻家協会では、毎年1月 31 日を「愛妻の日」として提唱しています(1を英語のI(アイ)に見立て、 31 (サイ)の語呂合わせ)。
 愛妻の日では、日頃は恥ずかしくて感謝の気持ちを伝えられない日本の夫たちに、「年に一度くらいは早く家に帰って、奥さんの目を見て「ありがとう」の気持ちを伝えてみよう」と呼びかけています。
 この頃は、寒さが一段と厳しく感じられる時期ですので、感謝の気持ちを伝え、お互いの心がほっこりした後は、身体もポカポカ温まる野菜たっぷりの鍋を囲んで、家族団らんの時をゆっくりと過ごしてみてはいかがでしょうか。

◆食卓を支えています

浅間山の麓に広がるキャベツ畑。冷涼な気温が夏秋キャベツの栽培に最適。
 キャベツは、サラダだけでなく、お好み焼き、漬物、中華食材など幅広い用途で調理されるなど、私たちの食生活に欠かすことができない重要な野菜です。
 キャベツを含む 14 品目については、消費量が多く食生活に欠かせない野菜としてalicが指定野菜価格安定対策事業を実施し、野菜の価格が著しく低落した場合、生産者に補てん金を交付しています。
 alicは、指定野菜価格安定対策事業等を通じて、野菜の需給と価格の安定に重要な役割を担っています。

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農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
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