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社会インフラ化するコンビニと今後の販売戦略

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最終更新日:2015年3月4日

CVSの今後の展望を語る伊藤氏
CVSの今後の展望を語る伊藤氏
コンビニエンスストア(以下、CVS)は、1970年代に日本に誕生して以来、国民の様々な生活ニーズに応える形で、常にその機能を進化させ、今や日本経済や国民生活に欠かせないものとなっています。高齢化や女性の就業化などの環境変化に応じ社会インフラ化するCVSの今後の進展に大きな期待が寄せられているところです。
今回は長年、CVSの事業展開に携わってこられた一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会専務理事の伊藤 廣幸氏をお招きし、日本の小売業の歴史や最近の動向、CVS成長の要因、地産地消への取組などについてご講演いただきましたので、その概要をご紹介します。

コンビニが生まれた背景

日本のCVSの歴史は1974年の東京に始まります。
小売業の形態面からみると、近代化を背景に登場した百貨店の登場、拡大(〜1920年代)、効率性を重視したスーパーマーケットの台頭(1960年代)を経て、ライフスタイルの多様化に対応した利便性が求められる時代に移る時期にCVSが誕生しました。
これは、経営手法の面からみると、チェーンストアの全盛期からフランチャイズ経営の時代に移り変わろうという時期でした。
また、大型店舗の急伸により商品調達力や資金力、情報収集能力の面で遅れていた小型店舗(パパママストア)や酒屋などを取り込んだことが急速な店舗数拡大の背景にあります。
平成23年のCVSの売上高は8.7兆円となっており、百貨店やスーパーの売上が減少する中、平成20年には売上高で百貨店を超え、スーパーに次いで小売業第2位となっております。更なる成長の可能性があるとされ、平成32年には14兆円に拡大すると見込まれています。

コンビニ成長の要因〜フランチャイズの時代〜

CVSの拡大は本部と加盟店が対等の関係にあるフランチャイズの力であり、宅配便取扱、ATMなど、その時代に求められるサービスを随時、付加してきたことも大きな成長要因といえます。
CVSはシステム産業だとも言われます。幅広いサービスに対応できる大規模システムのノウハウや情報の蓄積がCVSの強みとなっています。
特に近年は、購買動向分析からきめ細かなお客様のニーズを把握できるようになり、大学や病院、空港など様々な立地に対応できる効率的な売り場作りが可能となっています。
また、地方自治体と連携し地元の食材をお弁当に利用するなど、地産地消にも積極的に取り組んでいます。

これからのコンビニ〜ラストワンマイルの重要性〜

CVSの今後の展開については、特に高齢化や世帯人数の減少といった「環境変化」に伴う「行動変化」を新たなニーズととらえ、機敏に対応することで新たな市場を開拓するとともに、植物工場等、川上からのものづくり≠ノも参入するなどの新たな対応も行なわれています。
特に、健康寿命をサポートする薬局や宅配サービスをオムニチャネルの活用によって実現し、行動範囲が狭まる高齢者の需要を開拓することが考えられます。

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