皆さんは砂糖の原料となる作物のさとうきびを見たことがあるでしょうか。さとうきびは鹿児島県の南西諸島と沖縄県で栽培されていて、1年か1年半かけて育てられ、12月中旬から翌年の4月中旬頃に収穫期を迎えます。生育につれて茎に糖分が蓄積され、収穫時には高さが2mを越えるものもあるなど背の高い植物です。1本のさとうきび(茎約1kg)からは約120gの砂糖しか作れず、市販されている1kg袋入りの砂糖を作るためには8本以上のさとうきびが必要になります。
さとうきびの収穫は、昔ながらの手刈りとハーベスターという機械を使った方法があります。
手刈り収穫は、人が鎌を使って、まず不要な葉を切り落とし、その後、斧を使って茎の根元を刈り取っていきます。この作業を1本ずつ繰り返していきます。研修で体験したalicの職員によると、根元の刈り取りは中腰での作業のため腰に負担がかかる上、刈り取ったさとうきびをまとめるのも大変とのことでした。作業に慣れた男性4人で約4時間かけて刈り取ったさとうきびの重量は約5tだったそうです。これは砂糖600kg分の収穫です。手刈り収穫は男性といえどもかなりの重労働です。
一方、機械を使った収穫ですが、ハーベスターは機体前部のらせん状の円柱が回転してさとうきびを起こしながら刈り取っていきます。次に機体内部で短く裁断して、機体後部に搭載した袋に詰め込んでいきます。機種にもよりますが写真の小型ハーベスターですと、1時間当たり5t以上を収穫することが可能です。
現在では、ハーベスターの普及が進み収穫作業が合理化され、鹿児島県では8割以上、沖縄県では6割以上の畑で機械化されていますが、ハーベスターが入れない狭い畑などでは、現在も手刈り収穫が行われています。