【機構の動き】豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)との定期情報交換会議を開催
最終更新日:2017年5月10日
4月10日( 月)、a l i c は豪州食肉家畜生産者事業団(※MLA)との定期情報交換会議を開催しました。この会議は、日本とオーストラリアの牛肉の需給動向などについて意見交換を行う場として、1987年から両国で交互に開催しており、25回目(前身組織の時代を含む)の今回はオーストラリアで行いました。
MLAのミシェル・アラン会長、alicの宮坂理事長の挨拶の後、MLAからオーストラリアの牛肉需給動向や輸出見通しについて説明がありました。その後、alicから日本の牛肉需給動向や肉用牛生産者のための経営安定対策などについて説明し、MLAからは、日本の肉用子牛価格の高騰が農家経営に与える影響など、alicからはオーストラリアの牛肉輸出戦略など、それぞれ双方の関心事項についての意見交換を行いました。
今回、定期情報交換会議の後、繁殖牛農家や穀物肥育牛農場、小売店を視察しました。
日本とオーストラリアでは、牛肉生産の仕組みが大きく異なっています。日本の肥育農家では、子牛市場で買ってきた子牛に、トウモロコシなどの飼料を与えて、牛舎の中で18カ月程度かけて太らせるのが一般的ですが、オーストラリアでは、広大な牧草地を利用した放牧肥育が一般的です。農家1戸当たりの飼養規模は、日本(47頭)の約9倍となる415頭と、非常に大規模な肉牛生産が行われています。
牧草を食べて育ったオーストラリア産の牛肉は、日本の牛肉と比べると脂肪交雑(サシ)が少なく、赤身の割合が多いのが特徴です。国民一人当たりの牛肉の年間消費量は、日本(6kg)の5倍となる30kg程度で、ステーキや煮込みなどで食されることが多いようです。また、日本や韓国など、一部の輸出向けについては、フィードロットと呼ばれる集約的な肥育場で、出荷直前に2カ月程度穀物を与えて、輸出先の消費者の嗜好に合うような工夫をしています。
生産現場では、牛の管理や出荷などについて、また、小売店では、精肉の販売形態や格付け(認証)システムについて、日本とオーストラリアとの違いを確認するなど、有意義な情報交換の場となりました。
※豪州食肉家畜生産者事業団 (Meat & Livestock Australia、MLA)
1998年に生産者の出資により設立(前身は豪州食肉畜産公社)。主な活動は、国内外におけるオーストラリア産牛肉および羊肉(生体を含む)の販売促進、研究・開発など。日本でも、「オージービーフ」の名称で、外食産業や小売店での販売促進、展示会やセミナーなどの活動を積極的に展開。
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