こうして、7戸の農家で「北海道ゆうべつ産」と統一名称をつけた肉牛の出荷を開始しました。9月には、残り2戸の農家も参加し、町内で黒毛和牛と交雑牛を肥育する全9戸が結集しました。
現在、東京食肉市場をメインに、横浜食肉市場、京都食肉市場の3カ所に向け、1台に12頭を積んだトラックで月に4〜6回、出荷しています。道内に出荷するよりも輸送費はかかるものの、大消費地に仕向けると、それを上回る価格で販売できます。また、共同出荷によりトラック便が増えるため、仕上がりのいい牛を選んで出荷できること、相場変動のリスク低減になることなど、さまざまなメリットを感じています。
スタートしたばかりの北海道ゆうべつ産?には、牛の血統やえさ、飼育方法、枝肉の格付けなどの統一的な決めごとは、まだありません。しかし、遠くない将来、銘柄推進協議会や出荷組合を立ち上げて、町や地元の団体からも協力を得たいと考えています。「どこの市場でも、みんなに北海道ゆうべつ産として認知してもらいたい。いずれは、地元でも北海道ゆうべつ産の牛肉を食べられるようにしたい」と、鈴木さんは熱く語ります。
生産者が牛肉を安定的に生産・提供するためには、自分たちのマーケットの確保が必要です。鈴木さんたちの取り組みは、その第一歩となるものです。