消費者コーナー 「食」の安全・安心や食育に関する情報、料理レシピなど

ホーム > 消費者コーナー > 広報誌 > 【業務関連情報】鶏むね肉消費をけん引するサラダチキンの消費動向〜平成29年度鶏肉調製品の消費実態調査の結果から〜

【業務関連情報】鶏むね肉消費をけん引するサラダチキンの消費動向〜平成29年度鶏肉調製品の消費実態調査の結果から〜

印刷ページ

最終更新日:2019年1月9日

レポ1-1

 近年、肉ブームといわれており、食肉消費量は増加傾向となっています。その中でも比較的安価な鶏肉は、唐揚げや焼き鳥などの消費がコンビニエンスストアや外食店などで増えていることもあり、平成24 年に長年不動の1位であった豚肉を抜いてから日 本で最も食べられている食肉となっています。
 特に、鶏むね肉の消費量の伸びは堅調で、この背景にはサラダチキン(主に蒸した鶏むね肉を真空パックにした商品)の躍進があります。
 そこで今回は、alicが鶏肉の需給動向の分析に当たってサラダチキンに対する消費者の行動や意識を把握することを目的に行った、平成29 年度鶏肉調製品の消費実態調査(POS調査、WEB 調査)の結果を紹介します。
 

夏場が需要期

 POS調査は、全国のスーパーマーケット(1000店舗以上)の平成25 年から29 年までのPOS データを分析したものです。結果の概要は次のとおりです。
 サラダチキンの千人当たりの販売金額(注1)を見ると、消費者の簡便化志向や健康志向の高まりを背景に、年々増加傾向で推移しています。また、サラダチキンは毎年春から夏にかけてよく売れる傾向があります。これは、夏場は火を使った調理を避けたり、調理の手間を省こうとする動きが見られることに加え、薄着になる機会が多く、消費者のダイエット志向が高まることから、簡便性や低カロリーを売りとするサラダチキンの需要が増加することも一因とみられます(図1)。
 また、販売店率(注2)を見ると、27 年の夏以降、3年連続で需要期とされる春から夏にかけて大きく上昇し、現在では代表的な食肉加工品のひとつとして定着したものとみられます。
 金額シェアを原産国別に見ると、27 年春までは「国産」が100%を占めていたものの、サラダチキンの需要増加に伴い、海外産が登場し、「タイ産」が28 年春に登場しました。29 年12 月時点でタイ産は国産と同等水準の約45 %まで普及し、その他は1割程度を占めています(図2)。
 

レポ1-2

表

簡便性に高評価

 WEB調査は、1555名のモニター(抽出条件はサラダチキンを半年に1回以上の頻度で購入している者)にアンケートを実施したものです。結果の概要は次のとおりです。
 サラダチキンの購入頻度を見ると、20 代男性では「週4回以上」が13 %となり、日常的にサラダチキンを購入する愛好家もいます(図3)。
 サラダチキンの購入理由を見ると、いずれの家族形態も「味が好きだから」に加え、「すぐに食べられるから」「調理の手間が省けるから」などの簡便性に関連する項目が上位となっています。階層別で見ると、独身者・単身者の20 代男性では「高タンパク質だから」が1位となり、筋力など身体作りのための食品としても評価されています。一方、独身者・単身者の20 〜 30 代女性では「低カロリーだから」が1 位となり、ヘルシーな食品としても評価されています(表1)。

アンガス

今後の動向に注目

 消費者の簡便化志向が高い状況の中、サラダチキンの簡便性などが高く評価されており、今後も鶏むね肉消費をけん引していくものと思われます。
 一方、最近はサラダチキンの新商品が続々と発売されていますが、サラダチキンブームに合わせたサラダポークやサラダフィッシュといった新たな加工商品も増えていることから、国産品は、タイ産だけでなく、他の商品とも競合が激しくなっているとみられま す。
 鶏肉需給に影響を与えるとされるサラダチキンの今後の消費動向が注目されます。

本調査結果の詳細については、下記URLをご覧ください。
https://www.alic.go.jp/r-nyugyo/ raku02_000076.html

(畜産需給部)
 
前のページ         次のページ
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196