【まめ知識】かんぴょう巻きや太巻き、昆布巻きに欠かせないかんぴょう
最終更新日:2019年9月4日
かんぴょうの原料は、ウリ科の「ゆうがお」
脇役ながら和食に欠かせない食材であるかんぴょうは、「ゆうがお」という大きなウリ科の実をひも状にむいて乾燥させた食べ物です。
かんぴょうは、カルシウム、カリウム、リン、鉄分等を多く含み、さらに食物繊維が豊富に含まれています。
ゆうがおの原産地は、アフリカ・アジアの熱帯地方で、日本への伝来については諸説ありますが、中国、朝鮮を経て滋賀県などで栽培されていたという説もあります。
かんぴょうの生産について
現在、かんぴょうの収穫量は268t(注)で(農林水産省「平成28年産地域特産野菜生産状況調査」)、そのうち栃木県産が全体の99%を占め、その他茨城県、滋賀県で生産されています。
栃木県のかんぴょうは、主に県南部の下野(しもつけ)市、壬生(みぶ)町、上三川(かみのかわ)町、小山(おやま)市で作られており、特に下野市、壬生町は生産が盛んで県内の収穫量(平成28年産)の75%を占めています。
栃木県におけるかんぴょう生産の始まりは、現在の栃木県壬生町の壬生藩主になった鳥居忠英(とりいただてる)が、現在の滋賀県甲賀(こうか)市の水口(みなくち)藩から1712年にゆうがおの種を取り寄せ、領内で生産したのが始まりと言われています。
壬生町の須藤重雄(すどうしげお)さんは、300年近く続くかんぴょう農家の14代目です。須藤さんは、かんぴょうの原料であるゆうがおの苗を4月に定植し、6月から8月にかけて収穫します(写真1)。そして前日に収穫したゆうがおを、夜中の2時ごろから電動式のかんぴょうむき機でひも状にむいていき、最盛期には1日150個程むくとのことです(写真2)。これを長さ1・8mほどに切りそろえ、ハウス内などで1〜2日間乾燥させるとかんぴょうができあがります(写真3)。この乾燥風景は、栃木県の夏の風物詩となっています。
注:収穫量は、乾燥重量である。
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