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【まめ知識】なぜ、牛の胃は4つもあるの?

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最終更新日:2021年11月4日

 草食動物の中でも牛、羊、ヤギは反すう動物(注)と呼ばれており、4つの胃を持つのが特徴です。牛の場合、4つの胃の重さは体重の15%を占めています。今回は牛の4つの胃について、働きや特徴を解説します。

(注)食物繊維の消化を助けるために、胃の中のものを再び口に戻してゆっくりかみ砕き、また飲み込む「反すう」を行う動物。

1 第1胃「ルーメン」(ミノ)

 4つの胃の中で最も大きく、成牛では胃全体の80%を占めています。食道と直接つながっている第1胃の中には多数の微生物が共生しており、その微生物の作用によって飼料の繊維を栄養として吸収できる形に分解します。

2 第2胃「蜂巣(はちのす)胃」(ハチノス)

 読んで字のごとく蜂の巣のようなひだが特徴です。ポンプのような収縮を繰り返し、ルーメンでは消化しづらい食物を食道や口まで押し戻す役割があります。口まで押し戻された食物はゆっくりかみ直され、葉状胃(第3胃)へ行きます。

3 第3胃「葉状(ようじょう)胃」(センマイ)

 葉が何枚にも重なったようなひだのある構造になっています。このひだが食物を選別しながらすりつぶし、消化しやすくなったものを第4胃へ送り、まだ大きい状態のものは蜂巣胃(第2胃)へ戻す役割があります。また、第1、2胃と異なり、水分や栄養を吸収する働きがあります。

4 第4胃「しわ胃」(ギアラ)

 人間の胃に一番近い機能を持ちます。胃液を分泌することにより最終的に食物を消化します。成牛のしわ胃の体積は胃全体の10%以下ですが、母乳を飲む生まれたばかりの子牛では胃全体の70%を占めています。

 このように、反すう動物は、第1〜3胃が人間の食道に近い役割を果たし、第4胃で消化・吸収を行っています。第1〜3胃で反すうすることにより、胃や腸内にいる微生物を増やして、飼料の繊維成分を容易に消化することができるのです。

牛の胃は4つあり、それぞれ働きや特徴があります。

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