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【REPORT】オーストラリアの畜産物のさまざまな表示

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最終更新日:2022年2月2日

 オーストラリアの年間一人当たり食肉消費量は、99.5kgと日本の約3倍です(2019/20年度(7月〜翌6月))。
 新型コロナウイルス感染拡大防止として長く続いていたロックダウンによる規制も緩和され、休日には食肉を大量に買い込み、公園でバーベキューに興じるオージー(オーストラリア人の愛称)をよく見かけるようになりました(2021年12月現在(夏季))。また、街中では泡立てた牛乳入りのコーヒーを飲む人を多く目にするなど、ヨーロッパ圏のカフェ文化が深く根付いており、牛乳も多く消費されています。
 畜産物のパッケージやPOP(店頭広告)からは、同国の生産者や流通業者が、消費者にどのような情報を伝えたいのか、垣間見ることができます。
 今回は、同国で販売されている畜産物の表示例について、紹介します(写真は、すべて2021年11月にシドニー市内の小売店や精肉店で撮影)。

1.アニマルウェルフェア(動物福祉)と認証表示

 オーストラリアでは、「フリーレンジ(放し飼い)」をうたう畜産物が多く販売されています。豚肉では、生産者団体によるフリーレンジ認証マーク(写真1)が、また、豚肉に加え鶏肉や鶏卵では、公的機関である王立動物虐待防止協会(RSPCA)などによる同様の認証マーク(写真2)が付されており、パッケージを通じ、アニマルウェルフェアの基準を満たした認証農場で生産された商品であることが一目で分かるようになっています。さらに、液卵では、飼養密度(注1)も表示されています(写真3)。

(注1)何羽未満の密度で飼養されたかを示しています。オーストラリアの競争・消費者委員会(日本の公正取引委員会に相当)は、フリーレンジ卵と表示するには、1ha当たりの飼養羽数を最大1万羽(20u 当たり20羽未満)と規定しています。
写真1 豚肉のフリーレンジの認証マーク
写真2 豚肉や鶏肉のフリーレンジの認証マーク
写真3 鶏の飼養密度が表示されたフリーレンジ液卵

2.環境対策への取り組み

 環境対策への取り組みが進むオーストラリアでは、2019年4月から同国初のカーボンニュートラル・ビーフ(注2)が販売されています。
 カーボンニュートラルの基準を満たした商品の製造企業として認証された事業者は、対象商品への専用ロゴの表示が認められており、環境問題に関心のある消費者への訴求を図っています(写真4)。

(注2)牛肉の生産過程で温室効果ガス(GHG)の吸収などにより、GHG排出量を実質ゼロとしたもの。
写真4 カーボンニュートラル認証マーク を付したチキンナゲット

3.賞味期限などの表示や品質保持のための包装

 オーストラリアの食品でも「Use By」や「Best Before」(いわゆる日本の消費期限や賞味期限)という表示が付されていますが、畜産物では「Best Before」が主流です。また、同国の食肉製品では、品質保持の長期化のための真空パック商品が一般的で、写真5のように一目で賞味期限までの残日数がわかるシールが貼られている商品もあります。
写真5  真空パックの牛肉と賞味期限の残日数(Days left)が視覚的に分かるシール

4.オーストラリア産表示の強調

 オーストラリアでは、消費者が自国製品を重視する傾向にあり、小売店内では同国産を示すPOPがあふれています(写真6)。同国産畜産物にはマークが明示され、消費者への訴求が図られています(写真7)。
写真6 オーストラリア産品であることを示すPOP
写真7 商品パッケージのオーストラリア産マーク
(調査情報部 国際調査グループ)
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196