【業務関連情報】 知られざるさとうきびの活躍について
最終更新日:2022年3月2日
さとうきびをご存じですか?
突然ですが、皆さんはさとうきびについてどれくらいご存じですか?
さとうきびはイネ科の植物で、私たちの食生活に欠かすことのできない「砂糖」の原料として、インド、ブラジル、オーストラリアやタイなど、世界のさまざまな国で栽培されています。
日本では、主に鹿児島県南西諸島と沖縄県で栽培されており、グラニュー糖や上白糖、黒糖などの砂糖の原料となるほか、黒糖焼酎と呼ばれるお酒の原料にもなっています。
今回は、知られざるさとうきびの活躍についてご紹介します。
さとうきびの主な生産地域
さとうきびは島を守る!
鹿児島県南西諸島や沖縄県の島々は、台風の常襲地帯であり、また、特に夏場は降水量が少なく、干ばつになりやすいという営農には厳しい自然環境下にあります。このため、自然災害への高い耐性を有するさとうきびは島の農業にとって代替の効かない基幹的作物であり、島の農家の約8割が栽培しています(2020年)。
また、さとうきびを栽培する島には砂糖の原料となる「原料糖」を製造する製糖工場がほぼ1島に1工場あり、地域の雇用・経済を支える重要な役割を担っています。島の多くは、わが国南西の国境に近く、そこに人々が暮らし、砂糖産業が成り立っているからこそ国土が守られているともいえます。
さとうきびは、台風や干ばつ等の自然災害に強い作物
さとうきびは地球を守る!
バガス(さとうきびの搾りかす)
さとうきびの役割は、それだけではありません。
さとうきびは、光合成の速度が速く、他の多くの植物と比べ効率よく二酸化炭素を吸収することが知られています。ブラジルなどでは石油などの化石燃料に代わるエネルギー「バイオエタノール」の原料としても利用されています。
また、「バガス」と呼ばれるさとうきびの搾りかすは、島の製糖工場のボイラー燃料として使われており、大気中の炭素循環量の増加を抑え、環境対策に貢献しています。
このほかにも、バガスは家畜の敷料として利用されたり、堆肥となってさとうきび畑など大地に還元されたりしています。また、原料糖を製造する際に糖液(シラップ)から分離した蜜(糖みつ)は家畜の飼料になるなど、さとうきびは、ほとんど余すことなく利用され、持続可能な開発目標(SDGs)達成の一翼を担っています。
おわりに
このように、さとうきびは、わが国の地域経済を支えるために欠かすことのできない基幹的作物であるのはもちろんのこと、工場の燃料として、飼料として、そのほかにも色々な形で地球環境保護の役に立っています。
また、さとうきびから製造される砂糖は、料理やお菓子に広く使われ、甘みをつけるだけでなく、美味しそうな焼き色をつけたり、防腐効果を生んだりするなどさまざまな形で活躍しています。
さらに、砂糖は脳とからだのエネルギー源にもなることから、国民の生活にとって欠かすことのできない重要な食品です。
alicでは、国民の皆様へ砂糖を安定的に供給するため「砂糖の価格調整制度」と呼ばれる制度を運営するとともに、砂糖についての正しい知識を普及するための活動を積極的に行っています。
alicのホームページには、砂糖の制度や砂糖の知識に関するさまざまな情報を紹介していますので、是非一度ご覧ください。
島一面に広がるさとうきび畑(徳之島)
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196