【業務関連情報】活発に進む国産加工業務用野菜契約取引
〜国産やさいの生産者と実需者を結ぶマッチングサイト「ベジマチ」のご紹介〜
最終更新日:2022年8月5日
はじめに
野菜の需要は仕向け先により、一般消費者が家庭調理用に購入する生鮮用と、外食、給食、加工食品およびカット野菜などの加工業務用に大別されます。
加工業務用野菜は、消費者の健康志向や食の簡便化を背景にしたサラダ需要などの拡大に伴って年々増加してきました。しかし、業務用を中心に、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大により大きな影響を受けています。
この状況を受けて、alicは令和3年2月、生産者および実需者がいつでもどこでも商談可能な野菜専門のビジネスマッチングサイト「ベジマチ」(注)を開設し、新たな取引先の発掘などに活用していただいています。
今回は、ベジマチを活用している株式会社やっちゃばくらじ(以下、「やっちゃば」という)を紹介します。
注:べジマチは、生産者と実需者(加工業者、外食産業、給食業者など)がオンライン上で商談できる仕組みで、alicが運営しています。
ベジマチトップページ
どこよりも親切に、日本一気分よく買える店を目指す
やっちゃばは、代表取締役会長である倉片二郎氏が、実父が経営していた紀の新商店(旧神田市場(現在の東京都中央卸売市場大田市場)の仲卸)での経験の後、平成28年12月に独立し、「どこよりも親切に。日本一気分よく買える店を目指す。最後は何と言っても、人であり信用である。」という思いの下、2人のご子息とともに設立した大田市場内の仲卸です。
代表取締役社長の倉片芳明氏は、二郎氏の思いを引き継ぎ、「お客様に信頼していただけるお店の一つになる」「日本一の御用聞きになる」を企業理念に、日々、商品に向き合っています。
現在は、市場内外から野菜などの青果物を仕入れ、量販店や高級青果店を中心に納入を行う仲卸業だけでなく、インターネットによる消費者向け販売も行っています。日々の業務で培われた経験を生かし、旬の青果物のおいしさなどをしっかりと訴求しています。
大田市場内のやっちゃばの青果物売場
ベジマチの活用による仕入れ先の開拓
やっちゃばは、ベジマチ開設時から登録いただいている実需者の一つです。これまで、登録者同士がやり取りできるベジマチメールや登録者を対象としたオンライン商談会を通じて2件の実取引に至りました。
ベジマチメールは、現場に赴くことなく遠方の生産者とマッチングできる便利な機能です。やっちゃばでも、大田市場にいながら、これまで取引のなかった幅広い生産者を効率的に発掘しています。
さまざまな産地の青果物を扱っている仲卸という仕事柄、目利きは誰にも負けない自信があるものの、非対面型のベジマチでは現物を見ながらの商談ができません。そのため、やっちゃばでは、ベジマチは商談のきっかけとして活用し、実際の商談は産地に出向いて目で見て手で触れる目利きをして膝をつき合わせるというスタイルをとっています。
芳明氏はべジマチについて、「コロナ禍で対面での商談が難しくなった時も、多くの生産者と商談機会を持つことができた。新型コロナ感染症の感染者数が落ち着いてからも、気になる登録生産者にベジマチメールでアプローチできるし、登録生産者からも我々に対してアプローチしてもらえる。これまでは、野菜も人も自らの目で見て商売してきたため、ベジマチメールのやり取りは、顔が見えないことから不安もあったが、ベジマチに集う生産者は我々と同じで野菜をマッチングしたいという気持ちが強いことから意思疎通が図りやすい。事前にベジマチメールで地ならしができるので、対面商談がスムーズに進められる。今後もベジマチを有効活用し、日本一の御用聞きを目指す仲卸として、たくさんの素晴らしい野菜を開拓し、ユーザーや消費者につなげていきたい。そのためにも、より多くの志ある生産者にベジマチを活用してもらいたい。」と、その利便性、商談に直結するビジネスツールとしての有用性について高く評価しています。
おわりに
加工業務用野菜は、多くが生産者と実需者との契約取引によって売買されています。皆様が店頭で購入されるサラダや総菜などに使用されている野菜も、生産者および実需者の熱い思いによって届けられていることに思いをはせながら召し上がっていただければ幸いです。
また、生産者や実需者の皆様におかれましては、新規取引先開拓にぜひベジマチを御活用いただければと思います。
ベジマチの詳細や新規登録は、
こちらから
(野菜振興部)
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196