【まめ知識】牛乳・乳製品ができるまで〜牧場から食卓へ〜
最終更新日:2023年4月5日
牛乳は、たんぱく質やカルシウムなど、私たちの生活で必要不可欠な栄養素を豊富に含む飲み物です。年間1人当たりの牛乳消費は、200mlの牛乳パックで換算すると約120本に達します(令和3年度)。また、牛から搾られた生乳は、牛乳以外にもバターやチーズなどさまざまな乳製品に加工できます。そんな牛乳や乳製品がどのようにしてできるか知っていますか?
牛乳が消費者に届くまで
1 生乳生産
牧場で育てられた乳牛から搾った状態の乳を生乳と呼び、搾りたての生乳は冷却され保存されます。代表的な乳用牛であるホルスタイン種の場合、1頭から1日に約25〜30Lもの生乳を搾ることができます。
放牧の様子
牧場で生乳を冷却
2 生乳の受入れ〜牛乳の製造
(1)生乳はタンクローリーで牧場から集められ、乳業工場へと出荷されます。 |
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(2)乳業工場では、集められた生乳について細菌検査やアルコール検査(注1)など10項目以上のさまざまな検査を行います。検査に合格した生乳のみが牛乳や乳製品の製造ラインへ仕向けられます。
(注1)生乳にアルコールを混ぜ、凝固物の有無を確認します。凝固物ができた場合は生乳の鮮度が悪いなどの可能性があります。 |
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(3)次に、品質を安定させるため、生乳に圧力をかけ、生乳中に含まれる脂肪の粒を細かくし均質化します(ホモジナイズ)(注2)。
(注2)生乳にホモジナイザーという機械で圧力をかけます。ホモジナイズ前の生乳中の脂肪の粒には大きいものも含まれるため、静置しておくと脂肪分が分離してくることがあり、口当たりが不均質となることがあります。
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(4)その後、生乳を殺菌(一般的にこの殺菌された状態を牛乳と呼びます)し、直ちに冷やされ一時貯蔵されます。 |
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3 包装〜出荷
牛乳は、充填機の中で紙パックに詰められた後、出荷前まで冷蔵庫で保管されます。その後、衛生面や風味などの最終の製品検査を経て、卸売業者やスーパーマーケットなど小売店などに向けて出荷されます。
牛乳以外にも...
alicは、企業や団体、自治体などが連携し、
牛乳・乳製品の消費の拡大を目指す
「牛乳でスマイルプロジェクト」のメンバーです
生乳は、飲料用の牛乳以外にもバターやチーズなどさまざまな乳製品に加工されます。例えば、バターは、生乳から脂肪分を取り出して得られるクリームを練り合わせたものです。チーズは、生乳に乳酸菌(スターター)や酵素などを加え固めることで作られます。また、生乳生産が需要を上回った際には、牛乳に比べて保存が利くこれら乳製品への生乳仕向け量が増やされます。このように、乳製品は皆さんの食生活を豊かにするのと同時に、生乳需給のバランスを調整する重要な役割も果たしています。alicは、脱脂粉乳やバターなどの製造に仕向けられる加工原料乳に対する支援などを行っています。
取材協力:株式会社 M-Queen’s
よつ葉乳業株式会社 十勝主管工場 |
(調査情報部)
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農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
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