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【alicセミナー】豪州Wagyuの位置付けと改良の実態

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最終更新日:2023年4月5日

広報誌「alic」2023年4月号
 JETROシドニー事務所の赤松大暢氏によるセミナーをalicチャンネル(YouTube)にて配信しました(配信期間:2023年1月16日(月)〜2月15日(水))。

豪州Wagyuの概要

 豪州Wagyuは、1990年代に日本の和牛の生体や遺伝資源が米国を経由して豪州に輸入されて以降、独自の改良増殖が行われてきました。豪州Wagyuは、日本の和牛遺伝子の交配割合が50%以上の牛と定義されており、交配割合によって分類されています。
 2022年度の飼養頭数は、49万2000頭と豪州の肉用牛全体の2.0%を占め、2025年度には1.8倍となる88万6000頭まで増加すると見込まれています。

豪州Wagyu 繁殖牛の放牧風景(ニューサウスウェールズ州)
豪州Wagyu 繁殖牛の放牧風景(ニューサウスウェールズ州)

豪州Wagyuの流通状況

 日本の和牛肉および他国のWagyu肉を使ったメニューは、世界中で3万件以上も外食産業に取り入れられているとされています。米国には、ミリオネアと呼ばれる富裕層が多く存在し、高たんぱく製品の大消費国でもあることから、高級牛肉の潜在需要は大きいとみられています。
 他方、新型コロナウイルス感染症によるロックダウンなどの影響により、これまで高級な外食産業向けが中心とされてきたWagyu肉がより一般化してきています。豪州Wagyu肉は、豪州国内や米国の一般的なスーパーマーケットやファストフードなどへの供給が増えています。また、中国では、家庭消費の増加が著しい状況にあります。

日本の和牛と豪州Wagyuの差異

 豪州Wagyuは、和牛遺伝子の交配割合が50%以上の交雑種も含まれることから、品質に大きな幅があります。また、豪州と日本の脂肪交雑基準は別物で、前者はNo.9まで、後者はNo.12までと区別されます(注1)。さらに、飼料についても、豪州は大麦と小麦が主体であるのに対し、日本はトウモロコシが主体であることから、肉質や脂の風味も異なるとされています。
 日本では、2020年10月から新制度がスタートし、和牛遺伝資源の適正な流通管理および知的財産としての価値の保護が強化されました(注2)。輸出される和牛肉には「和牛統一マーク」が付され、世界的に唯一無二のブランドとして認知されています。
 世界的な需要の高まりから高級牛肉の市場拡大が想定される中、日本の和牛肉の豪州Wagyu肉との差異がブランド価値の再認識につながり、輸出拡大の追い風となることが期待されます。

 視聴者からは、「生産から販売までのフードチェーンを網羅して調査しており、豪州Wagyuの概要を理解することができた。」「さすが現地だからこその情報で現状がよく分かった。絶対的な量の多さは、輸出促進を進めている和牛肉にとってやはり大きな脅威となり得ると感じた。」といった感想が寄せられました。alicでは皆様のご意見を踏まえ、今後も情報提供に取り組んでまいります。

(注1)関係者によると、豪州のNo.9は日本の同6に相当するとの声があります。
(注2)制度の詳細については、広報誌2022年1月号「和牛の『遺伝資源』は、わが国が育んだ宝もの」をご覧ください。


講演資料は、こちらからご覧ください。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196