豪州Wagyuは、和牛遺伝子の交配割合が50%以上の交雑種も含まれることから、品質に大きな幅があります。また、豪州と日本の脂肪交雑基準は別物で、前者はNo.9まで、後者はNo.12までと区別されます
(注1)。さらに、飼料についても、豪州は大麦と小麦が主体であるのに対し、日本はトウモロコシが主体であることから、肉質や脂の風味も異なるとされています。
日本では、2020年10月から新制度がスタートし、和牛遺伝資源の適正な流通管理および知的財産としての価値の保護が強化されました
(注2)。輸出される和牛肉には「和牛統一マーク」が付され、世界的に唯一無二のブランドとして認知されています。
世界的な需要の高まりから高級牛肉の市場拡大が想定される中、日本の和牛肉の豪州Wagyu肉との差異がブランド価値の再認識につながり、輸出拡大の追い風となることが期待されます。
視聴者からは、「生産から販売までのフードチェーンを網羅して調査しており、豪州Wagyuの概要を理解することができた。」「さすが現地だからこその情報で現状がよく分かった。絶対的な量の多さは、輸出促進を進めている和牛肉にとってやはり大きな脅威となり得ると感じた。」といった感想が寄せられました。alicでは皆様のご意見を踏まえ、今後も情報提供に取り組んでまいります。
(注1)関係者によると、豪州のNo.9は日本の同6に相当するとの声があります。
(注2)制度の詳細については、広報誌2022年1月号「和牛の『遺伝資源』は、わが国が育んだ宝もの」をご覧ください。
講演資料は、
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