ホーム > 消費者コーナー > 広報誌 > 【第一線から】サトウキビで島に多くの人を呼びたい〜鹿児島県喜界町(きかいちょう)野間弘也(のまひろや)さん〜
最終更新日:2018年5月9日
喜界島は鹿児島市の南南西約380kmに位置する、隆起サンゴ礁でできた亜熱帯気候の島です。一面のサトウキビ畑を一直線に貫く「サトウキビの一本道」は、映画やテレビの撮影スポットとしても有名で、最近はSNSに映える風景から多くの観光客がこの一本道でジャンプする姿を撮影するそうです。
サトウキビ生産者の若手の担い手として期待されている野間弘也さんは、サトウキビの基幹作業の受託※を行っている中里サトウキビ生産組合の一員です。中心的に活動している中里地区は土地基盤整備やかんがい整備が行われていない上に、土壌はサトウキビ栽培には不向きな砂地の地域です。
作業面で困難な地域ではありますが、父の力(つとむ)さんからの教えを守り生産者からの依頼に対し丁寧な作業を行っています。また、組合では弟の貴也(たかや)さんも活動しており、平成28年産の収穫作業の受託面積は35haとなっています。
※基幹作業とは耕起・整地、植付、収穫などのサトウキビ栽培における中心的な作業のことです。また、受託とは、生産者からの依頼を受けて、これらの基幹作業をその生産者が作付けした(または作付け予定の)畑で行うことです。
サトウキビ生産一家の野間家の目標は、一年間に500tの収量を確保することです(喜界島における農家1戸当たりの年間平均収量は約161t)。中里地区は島内でもサトウキビ栽培には厳しい環境にあることから、弘也さんは積極的に研修会に参加したり島外の生産者まで出向いたりして技術を勉強しています。現在は研修で学んだ緑肥(りょくひ)の活用に力を入れており、増産に向けて日々奮闘しています。
弘也さんの夢は、サトウキビを通じて喜界島の良さを多くの人々に知ってもらうことです。そのために、サトウキビの有機栽培に取り組み、そのサトウキビから黒糖の加工販売を行う6次産業化を目指したいと考えています。さらにその先には、サトウキビの収穫体験や加工体験のプログラムを取り入れることにより、サトウキビと喜界島のファンになってくれる人が増える未来を描いています。
国内で生産される砂糖は、輸入される海外産と比較すると、価格差があります。このため、alicは「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づき、私たちが使う砂糖の元となる原料糖から徴収したお金を主たる財源として国費と合わせて、国内のサトウキビ、てん菜生産者と、甘しゃ糖、てん菜糖製造事業者を支援しています。また、alicにはサトウキビ生産地の鹿児島と那覇にも事務所があります。サトウキビの生産のことなどお気軽に事務所までお尋ねください。