【alicから】消費者代表の方々との意見交換会〜砂糖の正しい知識の普及について〜
最終更新日:2019年11月6日
alicでは、消費者の方々に農畜産業とその関連産業の現状やalicの業務を理解していただくとともに、伺ったご意見を今後の業務の参考とするため、消費者の方々との意見交換会を毎年度実施しています。
今回は、消費者にとって身近な食材である砂糖について、正しい知識の普及の取り組み「ありが糖運動(※)」に参画している企業において、砂糖を使った菓子の製造技術や品質、産地との関わり、普及活動などを紹介し、消費者代表の方々に砂糖に関する理解を深めていただくことを目的に、9月10日(金)に静岡県にある(株)虎屋 御殿場工場で現地視察を兼ねて開催しました。
(※)農林水産省が運営する砂糖の需要拡大を応援する総合的情報サイト。
最初に小林工場長と資材部の方の案内で工場見学を行いました。虎屋御殿場工場は、1978年に羊羹(ようかん)と餡(あん)の専門工場としてスタートし、その後、生産量増大に対応するため1993年に現在の施設となり、同社の主力工場となっています。また、商品開発や品質管理などを行う総合研究所が隣接しています。工場見学では、製餡ラインで実際に餡を炊いている様子を見ながら、良い餡を作るうえでの原材料の重要性が紹介されました。特に黒砂糖については、癖がなくコクのある味わいが特徴とされる沖縄県西表島(いりおもてじま)産のものにこだわって使っていることなどを説明していただきました。
意見交換会では、alicから近藤副理事長(当時)のあいさつの後、田口特産調整部長から国内の砂糖生産に対する支援の仕組みについて、(株)虎屋星野資材部長から同社で使用する製品原材料としての砂糖について、高橋三井製糖(株)東部営業部営業1課長から製糖企業として消費者に知ってもらいたい砂糖に関する知識について、農林水産省宮部地域作物課課長補佐から「ありが糖運動」について、それぞれ説明がありました。
星野部長は、砂糖をはじめとする和菓子の原材料の産地との関わりについて「生産者は作ったものの行く先が見えるとモチベーションが上がり、品質の向上にもつながるため、地元のマラソン大会でランナーに羊羹を配るなどして産地のPRなどにも努めてきた。良質な原材料を安定的に確保するためにも今後も担い手の育成や産地の活性化に取り組んでいきたい。」と話されました。
また、高橋課長からは、砂糖には上白糖やグラニュー糖、三温糖などさまざまな種類があり、それぞれに適した使い方があることの説明があり、参加者から「種類によって味の違いまであるとは知らなかった。」との感想がありました。
宮部課長補佐からは、砂糖の消費が年間3万tずつ減少する中で、砂糖に対する正しい知識の普及のために立ち上げた「ありが糖運動」の取り組みについて説明がありました。参加者からは「ありが糖運動で特に力を入れている商品はあるか?」「海外向けは和菓子に限定した情報発信なのか?」といった質問が挙がり、「ありが糖運動は特定の商品に限定せず、砂糖を用いたスイーツ全般や飲料も含めた製品の情報発信をし、需要拡大を図りたい。」との回答がありました。
機構の業務についても「砂糖の原料を輸入に頼らざるを得ない現状と国内の生産者を守る調整金の必要性も理解できた。」「砂糖の価格が安定しているという点について、本日の会を通じて改めて気付くことができた。」といった意見をいただきました。
また、全体を通して「国が砂糖の生産をサポートし、企業が砂糖を使用した製品を作り、消費者が喜びを得る。今回の会はそれぞれの立場の意見を聞くことができた有意義なものだった。」との感想をいただくなど、大変活発で有意義な意見交換会となりました。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
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