【業務関連情報】第12回全国和牛能力共進会鹿児島大会が開催されました!
最終更新日:2022年12月5日
「和牛のオリンピック」全共をご存じですか
大会が開催された鹿児島県霧島市と南九州市
皆さんは、「全国和牛能力共進会(以下「全共」という)」をご存じでしょうか。全共は、「和牛のオリンピック」とも呼ばれ、5年に1度、各道府県の予選を勝ち抜いた日本全国の優秀な和牛を一堂に集めて、改良の成果を競う国内最大級の和牛の品評会です。全共は、「和牛の能力と斉一性(まんべんなく揃っているかどうか)の向上」を目的に昭和41年に岡山県で第1回大会が開催されて以来、半世紀以上の歴史があるイベントです。
そのような和牛の祭典とも言える第12回全共が10月6日(木)〜10日(月)、鹿児島県では52年ぶりに「和牛新時代 地域かがやく和牛力」をテーマに霧島市と南九州市で開催されました。41道府県から438頭の和牛が出品され、約31万人が来場する賑わいを見せました。
「和牛の能力」とは?
全共では「和牛の能力」が審査の対象になりますが、一体どのようなものなのでしょうか。皆さんがイメージされるのは、お肉のおいしさだと思いますが、実はさまざまな項目があります。
和牛の重要な能力の一つとして「繁殖能力」があります。繁殖能力が高いと、母牛がより短いサイクル(日数)で子牛を出産することができます。肉用牛経営において、繁殖能力は経営の効率化に直結する重要な能力とされています。なぜならば、同じ餌の量で、1年に1頭子牛を産む母牛と、2年に1頭しか産まない母牛がいれば、産まれる子牛の頭数に2倍の差が出てしまい経営に大きく影響するからです。多くの農家は、どうしたら母牛の繁殖能力を向上させられるか、日夜工夫を凝らしているのです。
また、より効率よく生産するための「産肉能力」も生産性向上に欠かせない項目です。今大会では、さまざまな観点から和牛の能力を審査するために、これらを含む8区分の項目について高校及び農業大学校が出品する特別区を合わせた計9区で競われました。
第12回大会の様子
入場行進の様子
入場を見守る各道府県の応援団の皆さん
宣誓する森義之さん
賑わいを見せる和牛振興エリア
大会の初日朝の霧島市の種牛の部の会場周辺は、開会式の開始前にもかかわらず、既に開場を待ちわびる人々で混雑しており、皆さんがこの大会を心待ちにしていたことがひしひしと伝わってきました。
開会式は、41道府県の出品者の入場行進から始まり、皆さん、やや緊張した面持ちながらも、堂々と入場されていました。続いて主催者、関係者、来賓の方々のあいさつや常陸宮殿下からのメッセージのご紹介などが終わると、出品者を代表して、鹿児島県の株式会社森ファーム代表取締役社長の森義之さんが、「大会を通じて、和牛の魅力や可能性を全世界に発信し、大会期間中、愛する牛たちと共に輝きを放ち続けること」を宣誓しました。
その後、令和4年2月に国宝に指定された霧島神宮の宮司の方々が雅楽を披露し、大会は開会しました。
大会の会場は、開会式、閉会式、実際の審査を行う共進会エリアと、イベントエリアに分かれており、イベントエリアは、鹿児島県産の農林水産物や特産品などを展示・販売を行う鹿児島県PRエリア、各企業・団体が自社の製品や技術などを展示した協賛企業団体エリアのほか、全国の銘柄牛(ブランド牛)の試食や鹿児島県のブランド牛「鹿児島黒牛」のバーベキューを楽しめる和牛振興エリアも設けられました。
特に和牛振興エリアは、試食に長蛇の列ができるなど、和牛の人気が表れていました。
5日間にわたったすべての審査が終了し、閉会式では、岸田首相出席の下、上位の成績を収めた出品者の方々の表彰式が行われました。
本大会で最高の賞となる名誉賞(内閣総理大臣賞)には、種牛の部は鹿児島県が、肉牛の部は宮崎県の出品牛が、それぞれ選ばれました。特に鹿児島県は、部門別の審査で多数の好成績を収め、主催県として、また、日本最大級の和牛生産県としての実力を存分に発揮した結果となりました。
2027年の第13回大会は、北海道で開催される予定です。
上位入賞を果たした牛たち
受賞した出品者の方々
alicは和牛生産者を応援
alicは、肉用牛肥育経営安定交付金制度(牛マルキン)、肉用子牛生産者補給金制度および肉用牛経営安定対策補完事業などの畜産業振興事業を通じて、これからも、わが国固有の財産であり、日本の食文化を代表する和牛を生産する農家の皆さんを支援してまいります。
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