「歩留まり約36%」、これは、牛(生体)1頭からさまざまな処理過程を経て、普段、私たちがスーパーなどで目にするパックに入ったお肉(精肉)になるまでの出来高の割合です。つまり、牛(生体)1頭で690kgから、精肉は249kgしか得られません。
牛肉は、消費者に届くまでに「生体」、「枝肉」、「部分肉」、「精肉」と形態が大きく変わります。まず、牛(生体)を処理(と畜)し、皮・内臓などを除去し、左右を半分に切断して「枝肉(半丸)」にします。この枝肉から骨や余分な脂肪などを除去し、各部分に分割したものが「部分肉」です。さらに部分肉から脂肪・すじなどを除去し、切り身・スライス・ミンチにしたものが「精肉」と呼ばれます。
牛肉は、さまざまな筋肉から構成されているため、食肉処理技術者のカット技術によって、精肉として販売できる量が大きく異なります。そのため、多くの消費者の皆さまに貴重な牛肉を無駄なく食べていただくには、 カット技術の向上を図ることが大変重要となっています。
このような中、食肉処理技術者の高齢化が進み、人手不足の問題と相まって、若手技術者の育成は、重要な課題となっています。
今回は、この課題の解決に向けて、兵庫県下で独自の取り組みを始めた「兵庫県牛肉マイスター制度」について、ご紹介します。
牛肉の形態の変化
資料 第12回お肉検定1級テキスト2023
お肉検定とは、お肉の知識を深めていただくための試験で、興味がある方ならどなたでも受験できます。