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【まめ知識】「半世紀ぶり」の追加で脚光を浴びるブロッコリーを深堀り!

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最終更新日:2024年6月5日

広報webマガジン「alic」2024年6月号

<図1 指定野菜14品目>
<図1 指定野菜14品目>

 今年に入ってから、「ブロッコリーが指定野菜に追加される」というニュースを見聞きされた方も多いのではないでしょうか。
 「指定野菜」とは、消費量が多く、国民生活に欠かせない重要な野菜として国が定めるもので、現在14品目あります(図1)。1974年にばれいしょが指定野菜に追加されて以来、約50年間、変化がありませんでしたが、この度、2026年度から新たに葉茎菜類であるブロッコリーが、実に半世紀ぶりに追加されることになりました。このことは、私たちの消費行動の変化が背景にあります。
 
  「栄養素の宝庫」と呼ばれるほどの栄養価の高さや、サラダ需要、お弁当需要などの伸びから、近年ブロッコリーの消費量は増えています。また、生鮮のみでなく冷凍ブロッコリーの需要も伸びています。切ったり下ゆでしたりといった手間が省ける冷凍ブロッコリーは、昨今の食の簡便化や時短のニーズに合っているほか、コロナ禍での備蓄や家庭内での調理機会の増加も、需要増の追い風となりました。
 これと合わせて、産地でも生産者の高齢化などにより重量野菜から比較的軽量なブロッコリーへの転換も増え、国内での生産量も増加しています。国内では収穫時期をずらしながら全国各地で栽培されているため、1年を通して手に入ります(図2)。

<図2 ブロッコリー主要産地>
<図2 ブロッコリー主要産地>

 ところで、私たちが主に食べているてっぺんの部分はブロッコリーの実の部分でしょうか?果実の部分でしょうか?

 正解は「()(らい)」という花のつぼみが密集している部分です(写真1)。つぼみですから、収穫時期が遅れたり、常温で放置したりすると黄色の花が咲き始めます(写真2)。さらに進むと黄色の花は満開になります(写真3)。
 したがって、つぼみが密集して、硬く締まっているものが良品です。冷凍ブロッコリーも鮮度の高い状態で急速冷凍することで栄養価を維持しており、消費者の国産志向に合わせ、国産の冷凍ブロッコリーの生産拡大にも期待がかかります。
 日本でポピュラーになってからの歴史は浅いながらも、飛躍的な伸長を遂げているブロッコリー。今後一層注目を集めそうです。

<写真1ブロッコリーの断面図><写真2可食部に花が咲き始めたブロッコリー><写真3満開になったブロッコリー>
<写真1ブロッコリーの断面図><写真2可食部に花が咲き始めたブロッコリー><写真3満開になったブロッコリー>

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