厳しい経済情勢下でも地域の方と協力しながらコスト削減などに取り組んできた川越さんと肥育牛部会員の方たちでしたが、それでもなお和牛の生産には多くのリスクが伴います。
一般的に和牛は、子牛を導入してから出荷するまで、約2年近くもの期間がかかります。この間、飼料価格や枝肉の販売価格などはその時の相場状況によって変化するため、結果として収益が大幅に変動する可能性があります。
特に近年は、コロナ禍における和牛肉消費の減退に伴う販売価格の低下、ウクライナ情勢下の輸入原料価格高騰などによる飼料価格の上昇により、生産者は厳しい経営環境に置かれています。
こうしたリスクに備えるため、alicでは、肉用牛肥育経営安定交付金制度(通称「牛マルキン」)を実施しています。牛マルキンとは、経営の収益がマイナスとなった場合に、交付金が交付される制度です。
株式会社川越も牛マルキンに加入しており、経営環境が厳しい時には、交付金が特に経営継続の助けになっているとおっしゃっていました。
alicは、肉用牛の肥育経営を支えるべく、今後とも牛マルキンの適正実施に努めてまいります。
(畜産経営対策部)